街歩き いざ鎌倉 (一)松竹の蓋はいずこ

鎌倉市は予てから探索したい街の一つであった。
蓋はもちろんのこと、境界石、丸ポスト、狛犬など路上文化遺産の宝庫でもあるのだ。
鎌倉市周辺の自治体での蓋の探索はほぼ終えたので本丸的存在の鎌倉市での探索に踏み切った。
まずは事前の予習だ。
鎌倉市での探索はたくさんの方が行っているので比較的新しい情報が良いと思い、今年の初頭に探索されたみわさんの記事・鎌倉に行ってきたよ(その1その2その3)を丹念に読んでから出かけた。
鎌倉市での街歩き記事は長くなるので三部作でお届けします。
今回は大船駅から北鎌倉駅近くまでです。
スタートはJR大船駅からだ。
特にこの出口を予定していたわけではなく、用を足した後に最も近い出口だったからだ。
しかしこの出口だったのは幸運だったのかもしれない。
最初に目指すのはむかし大船に有った松竹撮影所の蓋だ。
事前の調査では川のすぐわきに有るらしい。
大船駅のすぐ前に川が見えたので、この川に沿っていけば簡単なはずであった。
この日最初に出会った蓋はこれ。
笹竜胆の市章が付いた鎌倉市の汚水桝の蓋だ。
鎌倉市の東京市型の蓋には噂に聞いていた『鎌』が付いていた。
何故市章ではなく、鎌なのか? この答えは未だに出ていない。
笹竜胆の境界標。
神奈川県営水道の空気弁。
この蓋には『弁』の文字で字体が異なる蓋が存在することが分かっているので、スルーせずに撮っていくことにする。
横浜市の止水栓。
ここ大船は鎌倉市と横浜市の境界にあるので両市の蓋が見られるお得な街でもある。
神奈川県営水道の排水弁。
このデザインの蓋は仕切弁、空気弁、消火栓はどこでも見られるが、この排水弁は初めて見た。
相模原市ではバタ弁もあったので、そのほかの用途の蓋もあるかもしれない。
横浜市の制水弁だろうか。
初めて見る蓋にウットリ。
なんだか横浜市の蓋ばかりが目に付く。
念のために地図で確認したら、とんでもない所を歩いていた。
蓋につられて歩いている内にどんどん鎌倉市から遠のいていたのだ。
あわてて軌道修正。
後ろ髪を引かれる思いでUターン。
目印の川に到達。
今度は川から離れずに歩こう。
有った、有った、ありました。
松竹の蓋です。
薄日が差して、木の影が蓋の上に掛かっています。
このままでも悪くないけど、やはり影が気になるので持参した傘で全体を影にして撮影しました。
うん、まぁ良いでしょう。
最初の目標をクリアして肩の荷が軽くなった気がしました。
ここから駅に戻って電車で鎌倉駅に行くのもいいけど、折角なので予定通りに歩くことにしました。
当初の予定では30分もあれば次の目標の海軍蓋に到着できるはずだったのですが…。
なおも川に沿って歩いていると、フラップゲートがありました。
拡大して見ると直径は600ミリあるようです。
普通のマンホールの蓋と同じはずなのですが、小さく感じました。
ほぼ出発点と同じ位置に戻ってきました。
これから北鎌倉の海軍蓋を目指して歩いて行きます。
神奈川県営水道の給水口付き空気弁。
先ほど見た空気弁とは字体が異なります。
鎌倉市の亀甲地紋の蓋。
今回の街歩きで見かけた亀甲地紋の蓋はこれ一枚。
ネットで画像検索すると結構でてくるけど、今回のルートではなかったな。
コンクリート製の雨水桝。
『雨』、実に分かり易いですね。
後半ではこの蓋と同じタイプで取っ手が2個有る蓋も有りました。
笹竜胆の側溝蓋。
汚水桝や側溝蓋には笹竜胆の市章付きの蓋が有るのにどうして東京市型など大きな蓋には笹竜胆の市章付きがないのだろうか。
その棲み分けが分からない。
右書きの止水栓。
マークが潰れていて汎用品か県営水道の蓋か判断できない。
こういうのって悔しいな。
やたらと横に長いNTTの蓋。
汚水桝の蓋だろうか。
ベタ部分が左右均等じゃないのが気にくわない。
トラックにしか見えないけど、これだって消防車なんだよね。
定礎じゃなくて、礎定。
画像検索しても『礎定』なんて出てこない。
もしかして珍品なのかも。
大船中央タクシーの行灯。
この紋章は難解だなぁ。
と考えていたけど、ひょっとして「大船」は元から入っていないのかもしれないな。
電話は大船二番。
旧家の門に掲げられていました。
これは残しておきたい名誉の証だろうね。
ONDA。
看板もさることながら、お店の側面がダンガイになっている。
しかも、今時珍しい木製のダンガイだ。
感じの良い丸ポストが見えてきた。
見所がたくさんありすぎて中々前に進みません。
第二部では海軍蓋や骨董蓋に出会えて感激でした。
第二部に続く。
撮影:2016.09.06 神奈川県鎌倉市
(2016.10.14 初稿)