東京市水道局の紋章

都内には戦時中に作られたと思われるコンクリート製の水道用の小蓋が点在している。
それらの蓋の分類については過去に記事化 しているのでそちらをご覧頂きたい。
今回はその中から東京市水道局の紋章と言われている物にスポットを当ててみたい。

記事の内容は初稿当時のままです。

前回の記事の蓋とは別の蓋を新宿で発見。

マンホール関連本の中ではバイブル的な存在である、『マンホールのふた 日本篇』の中で「このマークは、昭和2年発行の「日本水道史」の東京市水道史の項に載っているもので、多分、東京市のマークに「水」の字を組み合わせたものと思われる。ただし、このマークが東京市水道局のマークだという事を、はっきり書いた文献は見つからなかった。」(…以下略)と記述されている。

ところが、撮影済みの写真を整理している時に思いもかけぬ写真をみつけた。

東京市水道局の水圧計。
左側の留め具を外し、蓋を前に引くと中に計器や記録装置が有るのではないだろうか。
水圧計の蓋の上部が路上の蓋の紋章とそっくりだ。
説明板によると「自記録水圧計スタンド」と言うそうである。

水圧計の上部と蓋の紋章を比較する。
全く同一と言っても過言ではないほど良く似ている。

文献による裏付けは出来ないが、現物での確認は出来たと思っても良いと思う。

水圧計の写真は3年前の大震災の日に撮影したままフォルダの中に埋もれたままだった。
大震災の日を前に3年前はどんな写真を撮っていたのかなぁと見ているうちに、不意に蓋の紋章と水圧計の紋章とが結びついた。

水圧計は東京都水道歴史館に展示されています。
展示品の写真撮影は許可を得て行いました。

(2014.03.09 初稿)
(2021.06.09 加筆・移設)