東京下水・東京市型(短足都章)

東京都下水道局の東京市型の蓋の中から今回は短足都章(短足下水君)にスポットを当てる。
戦前の東京市時代から昭和44年まで製造されたこともあり、かなりのバリエーションが存在する。

東京下水・東京市型・短足都章の紋章一覧。
基本的には左端のように中央に穴の開いているものが標準のようだが、実際にはその他のタイプ(窪みあり穴無し、窪み無し穴無し)も見ることが出来る。
この辺りは同時代に使用されたその他の蓋、例えば自働洗滌槽蓋や特殊人孔蓋にも同様なことが言える。
また、コジリ穴が存在しないのも短足都章の特徴だと思う。
普通サイズ(直径約600mm)のものと大型サイズ(直径約900mm)のものが存在するが、写真にすると判別は難しいので本稿ではサイズは無視することにする。
それでは個々の蓋を見て行こう。

東京下水 東京市型 短足都章01-01。
路上で最も多く目にするのがこのタイプだろう。
中央の穴があり、同心円の太さがまちまちなのも特徴の一つだ。
2011-05-04撮影(5-1190016)。

東京下水 東京市型 短足都章01-02。
同心円の太さがほとんど同じで且つ同じ間隔になっていて美しい。
本来はこうあるべきだと思うのだが、実際には少数派だ。
2011-09-18撮影(5-1200792)。

東京下水 東京市型 短足都章01-03。
大きなガス抜き穴を持つ蓋。
普通都章にも大きなガス抜き穴のある蓋が存在したが、写真のサイズを同じにして比較するとほぼ同じであることが分かった。
鍵穴も他の蓋とは違い、紋章に対して横を向いている。
2019-11-03撮影(70-1276)。

東京下水 東京市型 短足都章01-04。
鍵穴が上下に付いている(都章が90度回転しているとも言える)。
都章の「下」の部分をよく見ると本来ならば「下」なので右側に横線が見えるはずなのだが、この蓋はなんと右側は直線で左側に膨らみが見える。
思うに紋章を作る際に裏返しでパーツを作ってしまったようだ。
2017-03-18撮影(15-1210444)。

東京下水 東京市型 短足都章02-01。
中央には窪みだけで穴が開いていないタイプ。
ゴミが詰まっている可能性も否定できないが、他のガス抜き穴が全開なのでその可能性は低そうだ。
下水構えではなく、T字構えになっている。
2018-03-11撮影(70-0687)。

東京下水 東京市型 短足都章02-02。
中央には窪みだけで穴が開いていないタイプでさらに鍵穴が上下に存在するタイプ。
2018-03-11撮影(70-0687)。

東京下水 東京市型 短足都章03-01。
中央のガス抜き穴は真っ平なタイプ。
下水構えが横線なしの「T」構えになっている。
特定の地域にごく少数の現存を確認するに過ぎない。
2018-03-11撮影(70-0742)。

(2023-02-14 初稿)

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#マンホール #東京下水 #短足下水君