街歩き 旧三崎町の痕跡を求めて

昭和30年まで三浦半島の先端に存在した三崎町の上水道蓋と三浦市の蓋探索に出かけてみました。
三浦市の中心部は三崎港に近い所にありますが、最寄りの鉄道駅「三崎口駅」からはバスの便で行かねばならないほど遠距離にあります。
今回の探索では往路はバスを使い復路は徒歩でした。
事前の調査で三浦市のデザイン蓋は市の中心部には無く、三浦海岸駅周辺に設置されていることが分かました。
京急線の三崎口駅からバスに乗車して、三崎港近くの市街地の外れで下車して探索開始です。
(旧題【マンホールを求めて街歩き 三浦市】を移設にあたり改題しました)
三浦市で最初に撮影した蓋。
泥吐弁の蓋。
青銅弁。
他の自治体では見かけない名称の蓋である。
帰宅後に調べてみたら弁の材質から来ていることが分かった。
管径違いの蓋もあり、蓋を追ってふらふらと県道から脇道へ入って行きました。
蓋が途切れたところで県道へ戻る道がありません。
仕方がないので更に道なりに進んで行くと…。
三崎城跡の碑と説明板。
中世の頃にこの地を治めていた三浦氏の城だとか。
説明板。
三浦市役所。
三崎城跡には三浦市役所が建っているようです。
小高い丘になっているので見晴らしは良さそうです。
昔なら人家も少ないだろうから、港の様子も見えたに違いありません。
IGS製の蓋。
市役所の前にはIGS製の蓋が設置されていました。
この蓋好きなんですよねぇ。
いやが上にも探索熱が盛り上がります。
城跡を後にして再び県道に戻ります。
水道の小蓋を撮りながらなお進みます。
なんとなく古い蓋がありそうな細い道へ。
ビンゴ!
ありました、ありましたよ。
青銅弇。
青銅弁の古い名称の蓋ですね。
気分は上機嫌。
足取りも軽く、漸く三崎港が見える所まで来ました。
三浦市の右書き量水器。
「おっ! 右書きだ!」パチリ。
「おっ! またしても右書きだ」パチリ。
「え~、、、また?」。
そうです、三崎港付近では右書きの量水器は珍しくないのです。
むしろ、左書きの方が少ないくらいです。
三崎町の量水器。
今回の目的である「三崎町水道」の量水器の蓋です。
初めのうちは三浦市の量水器と同様に一枚の蓋を角度を変えて撮影したりしていました。が、、、
そうなんです、この写真程度の蓋ならたくさんではありませんがそこそこ現存しているようです。
ただし、紋章や文字がはっきり読めるものはごく少数です。
三崎町水道の止水栓?
古蓋を求めて三崎港周辺を行ったり来たり。
ついに発見!
心の目で見れば紋章も止水栓の文字も見えてきます(笑)。
実のところ、ブログだから取り上げることができる程度の蓋です。
DBなどだったら載せることは絶対に認められないだろうね。
三崎町水道の止水栓とした根拠は三浦市での探索でこの形状の止水栓は三崎町水道の止水栓だけだったからです。
更に良く見ると「止水栓(右書き)」や三崎町の紋章の一部の「サ」が見えるような気がします。
探索範囲を広げてなおも継続していると。。。
区画量水器の大きな蓋。
三浦市の境界石もありました。
頭の部分にも市章があり、赤く塗られているように見えました。
泥吐室。
港の近くの蓋はどれも海水や塩分を含む風によって蓋が溶けていました。
港と言えばネコがつきものですね。
このネコ君、余程気になるものがあるらしく、音を立てても瞬間的に向くだけですぐに脇を見てしまいます。
城ヶ島大橋(右側が城ヶ島)。
人や軽車両は無料で渡れるらしいですが、時間の都合で今回は見送る(のは自分に対する言い訳で…)。
実はあの橋を渡って戻ってくることを考えると億劫に(苦笑)。
結局、港付近では心の目で見る蓋だけしか戦果はなく、疲れて重い足を引きずるようにして三崎口駅を目指し港を後にしました。
市内で見かけたお店。
雑貨屋さんだろうか、なんとなく気になる作りです。
なおも諦められず、道路沿いの民家の軒先をふと見ると…。
やったー!
ついに発見できました。
正真正銘の三崎町水道の止水栓。
紋章も文字もまあまあの状態です。
帰宅後にこの場所を見ると車が止まっていました。
道理で事前の調査で見つからなかったはずです。
この後、更にもう一枚同じ止水栓を発見することができました。
三浦市の空気弁。
旧三崎町の町域を外れた辺りから見かけるようになった蓋です。
良く見ると港の近くに有った泥吐室蓋とちょっと違うのがお分かりだろうか。
同じ国道番号なのに目的地が違う。
困るよねー、こう言うの。
この付近の土地勘のない人にとっては迷惑千万。
三浦市のデザイン蓋。
だいぶ駅に近づいてきたのかデザイン蓋が現れ始めました。
三浦市の下水道普及率は約33%。
まだ京急沿線にしか普及していないようです。
(市役所のある三崎港付近は汚水桝一つありませんでした)
三崎口駅を目指して歩いていたはずなのに…。
下ばかり見ていたのでいつの間にか、通り過ぎていたようです。
時刻表を見ると程なくして来るようなので、ここから三浦海岸駅まで乗車しました。
三浦海岸駅。
海水浴場が近いせいか、やはり活気がありますね。
三浦市のガードレール。
日本有数のマグロの陸揚量を誇る三崎漁港を抱える三浦市のガードレールにはもちろんマグロがデザインされています。
京急線の境界石。
電車の時間まで駅付近をウロウロしていると、京急線のものらしい境界石がありました。
今回の探索の目的であった三崎町の蓋(量水器、止水栓)も発見できて十分満足できる街歩きでした。
城ヶ島に渡れば更なる蓋の発見も夢ではないが、費用と時間を天秤にかけるとどうしても二の足を踏まざるを得ない。
撮影:2016.07.23 神奈川県三浦市
(2016.08.17 初稿)
(2020.01.01 移設及び加筆、改題)